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ドキドキしちゃう

ダメな人の自己愛ドライブレコーダー

世界のネカフェから  ブログのメイン。管理人の見た世界の不条理。
ツイッター   ゆるふわ日記。思考回路オープンソース企画。

父、入院する(幻聴注意)

こんばんは。
これ、どのくらい長くなるんだろうと考えたらうんざりしてきたのですが、最期まで書くと決めたので、書きます。
恋愛論のつづきとか書きたくなったけど今日は我慢するんだ…!
バカも休み休みゆるーくくらーく行きましょう。

今日は記事を書いていたら案の定凹んできたので、写真も低めです。

f:id:denkilemon:20100505120228j:plain<海底にて>

 前回までのあらすじ:父親がアル中で入院することになった。大変だった。

===============
月曜日。
父を連れて、病院に向かう。
老人でいっぱいの病院内を進む、ゾンビとその娘1号(喪)。
「早すぎるよ、歩けないんだよこっちは!」と怒る父が悲しかった。

主治医の先生は、救急外来の先生と違ってさすがにもう少し親身になってくれるように見えた。
先生は親身でも、現実はひじょーに厳しかった。
先週の血液検査の結果、アルコール依存症の専門医療機関では受け入れ不可なレベルの肝不全であったこと。
ここは普通の内科なので、アルコールの離脱症状に対応するための専門の職員もいないため、夜だけでも家族の付き添いが出来ることが入院の条件であること。
この病院に入院しても、依存症は治らないこと。(メンタル問題なので)

結果、専門病院で受け入れてもらえるレベルまで肝機能を回復してから、転院を目指すことになった。
この日は私が付き添いをやることになったけれど、翌日からは母親が仕事をやすんで付き添うことになった。

貸してもらった車椅子に父を乗せて、入院のための手続きや検査などに回りながら、祖父の病院からの電話に対応した。
祖父は、何とか一命を取り留めた。
祖父の入院手続きは母親がやってくれた。
入院すると、家族の代表者(キーパーソン)を決めるのだけど、父のキーパーソンは母、祖父のそれは私になった。

私はずっと苛々してた。
入院生活・禁酒への不安から饒舌になってペラペラしゃべっている父親のことはほぼガン無視していたと思う。

夜にずっと付き添いが必要ということも嫌で嫌で仕方なかった。
アル中は、離脱症状が出ると、どうなるかわからない、
突然暴れだしたり手に負えなくなる、んだって。
普段大人しい人でも誰彼構わず殴りつけたりするんだって。
何それ、怖いよ。
対応できる職員がいないので、、、と言われたって、私が泊って何が出来るよ。
いくらガリガリだって、ゾンビで素早さ3だって、自分より20cmも大きい成人男性が暴れたら、どうやって抑えろっていうのよ。
誰かが来るまで殴られてろって話ですか。
怖いわ。

個室でないと対応できません、個室は一泊最低一万円です。
家族の付き添いがないと入院できません、簡易ベッドは一泊500円です。(使わなくてもいいですけど、)

もうね、私の脳内、とにかく被害認知優先になってしまっていて。
なんでわたしが、
なんでわたしが、ってそればっかりだった。



父は、入院に、リュックサック一つできた。
準備が大変だったんだと何度も自慢げに話してきた。
「今はゼリーしか食べられないから、タラミのゼリー沢山持ってきちゃったw」
「おとーさん、普通は入院の準備ってパジャマとかタオルだよ、後で私持ってくるからいいけどさ、、、」

個室で、看護婦さんがいなくなって、父と二人になった。

冷蔵庫があったから、ゼリーを冷やそうと思っただけなんだよね。
リュックには、持ち込み禁止なのにタバコがカートンで入っていて、こっそり吸えるといいねって笑った。お酒もタバコもじゃーきついよね、没収されたら、返してあげるね。
それからタラミ2個。
缶チューハイ2本。
だって、沢山ゼリー持ってきたって、言ったんだ。
「おとーさん、これはー…ダメでしょ…w」
笑おうとしたら、引きつり笑いになった。
思わず、リュックひっつかんで、部屋の入口まで走った。父親は車椅子からすぐには立ち上がれない。
やめてくれ、と制止された気がする。
別のポケットに、ウイスキーが入っていた。
「もうないから、やめてよ…もうないから…」という消え入りそうな声で我に返った。

無意識で私は分かってた気がする。
のに。
ゼリーがいくつあっても、こんなに重くならないよ。
ずっとリュック持って歩いてたのは私だから。




「やめてくれよ」って言われたのが、ずっと残ってる。
父親が隠したかったことを、
わざわざ暴き立てた。
浮気に全然気づかない母親に苛立って、告げ口して家庭崩壊させたのも私だった。
当時私は20歳そこそこだったけど、
後悔して後悔して後悔して、反省したつもりが、
何年たっても一ミリも変わっていない。
頭がおかしくなりそうだった。




その夜、簡易ベッドで眠れなくて、父親がしょっちゅう起き上がって苦しそうに喘いでいるのを聞いていた。
寝たふりをしながら、お酒の瓶のキャップがキュルキュルってする音を何度も聞いた。
気づいてはいけない、
何も知らない、
何度も自分に言い聞かせて、ずっと泣いていた。
病室にも、リュックの中にも、瓶なんてその後どこにも見つからなかったから、あれは幻聴だったんだと思う。