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ダメな人の自己愛ドライブレコーダー

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【日記】引っ越し関連③~オートロックあるなし

引っ越しをしてから気が付いたのは、ひょっとすると自分は随分と贅沢な暮らしをしてきたのかもしれない可能性だった。私の独り暮らし歴は別にたいしたことはなくて、学生時代の1Rと、就職してからの1Kが長かった、それから新しい部屋の1DKだけで、まだ3部屋しかしらない。
けれども今回初めてオートロックのない「普通の」部屋との邂逅である。普通だというのは、オートロックは標準設備よりかは優れた設備を意味するらしいからだ。
学生時代のあの恨めしいウサギ小屋は立派な名前つきのマンションで、オートロックなんて洒落たものだってついていた。しかし正直いってどうやって自分の部屋に帰っていたのかほとんど記憶にない、そうしてこれまで住んでいたところだってオートロックというよりは私はそれについては数字錠というもう少し単純な熟語で認識していたしひとに説明するときにもオートロック(笑)と発音していた。インターホンが鳴ったら数字錠をあけに下まで降りていくので待っててくださいねなんていう代物を草はやさないでオートロックなんて呼ぶのは無茶だと思っていた。
しかしついに、新しい部屋で先週初めて玄関の呼び鈴が玄関のすぐ外側で鳴ったのに驚いて肝を冷やしたときに、ようやくいままでの経験のぜいたくさというものに思い至ったのだから無意識と言うのは恐ろしいものだ。
私はこれまでずっと、どうもオートロックの魅力というものがきちんと理解できていなかったのだが、それが、セキュリティの一環と言うアピールのされかたが多いのにそこに価値を感じられなかったからだとようやくわかった。
あんなの他の住人の出入りする時間を見計らってにっこり挨拶でもすればいくらでも入れてもらえるし、例えばストーカー系のひとでターゲットの玄関の前に立つにしても、オートロックで外部の目から遮断されているほうが「仕事」がやりやすい、なんて思ったらどっちがどうだかとそんな話になってしまっていたのだ。
最近のホテルなんかで見るようなエレベーターのとまる階数自体が制限されるような高機能なオートロックならまだしも、、オートロックが破られて犯罪も実際に起こってしまったような場所に住んでいたのでなおさらオートロックがあるから何が何だというんだろうとバカにしてしまうようになっていた。

そう、だから、セキュリティ云々ではなくて、もっと正直に欲望を曝け出してくれたらそれはよっぽど魅力になるのに。
オートロックなのでえねえちけいも宗教のひとも来にくくなりますよとか居留守も自由自在ですよとかそういうのが利点を推したらいいのに!
セキュリティじゃない、これはプライバシーの問題なのだと、そう勝手に腑に落ちた。プライバシーの保護されている感覚は文字通りくらべものにならない。
玄関からうち廊下を通ってエレベータないし階段の向こう側から飛んでくる呼び鈴の音との距離を考えたらそれはもちろん当たり前の話だった。
普通の戸建ての場合だってもちろん玄関の外側すぐに(門扉の前というもっと豪華版も多いだろうけれど)呼び鈴があるけれども、部屋が狭い暮らしの場合は玄関を開けたらもうそこは一番奥であるべき寝室というケースが多いのだから、戸建ての感覚を集合住宅で再現しようとするとオートロックが有効になる。んだろう。
プライバシー感が高いというプレミアがつくからオートロックは人気の設備として広まっているのだ。
多分。

という個人的理解はともかくとして私は当分これからオートロックのない部屋に住むことになっている。今まで宗教も新聞もテレビのひともほとんどお目にかかったことがなかったというのはきっと恵まれていたのだろうけれど新しい対応策を考えないといけない。
なるべく静かに暮らすとか不在にするとかそういう地道な努力をしていくしかないんだろうな。