ドキドキしちゃう

ダメな人の自己愛ドライブレコーダー

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未知(タクシードライバー)との遭遇

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<猫はひとりでいることが孤独じゃないんだよねー>

 

前回までのあらすじ:父はアル中でどうしよもなくて、祖父も結構積んでいる感じ。

初回からはこちら → "家族の肖像" - 記事一覧 - ドキドキしちゃう

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父には弟がひとりいた。
父が入院する前、叔父はほとんど唯一の父の相談相手だったのは知っていた。
ひきこもった部屋から、時々長電話の声が聞こえた。
私は聞けなかった悩みを、娘には話しづらい悩みをきっと多く抱えていたことはよくわかっていたから、父が叔父と電話をしている時間はほっとできた。

私は小学生以来20年程度会っていなかったが、彼の父親でもある私の祖父の今後については父が入院中のいま、叔父に相談しない訳にはいかなかった。
祖父の病院からは社会福祉士さんを交えた話し合いの席が求められていたので、叔父に同席を願うため、コンタクトをとった。


都内でタクシードライバーをしていること。
昔からよく死にたいとばかり言っていること。
父が心を許しているらしいこと。

私のもっている彼についての情報はこれだけだった。
鬱のタクシードライバー・・・
それは俗にいうロバートデニーロのことだろうか。
きっとそうだ、そうに違いない世代的にも間違いないあれはいい映画だからなうんうん。

「おじさん、レモンです、おひさしぶりでーす☆」
慣れない☆をつけながらの会話は非常に辛い・・・
どうして自分が☆をつけて喋らないといけないのかは全く不明だったが相手が敵か味方かカウボーイかっていうときにはとりあえず女子力が無敵であるという最近の女にありがちな幻想を抱いていたので喪なりに必死にやってみた。大目に見積もって30秒位は成功したと思う。きもくなってやめた。


デニーロと私と社会福祉士さんの三者面談。
依然祖父の状態がよろしくないことを懇々と諭される。
「こういう場合に正解なんて白々しいものは全くないので、」という優しい専門家の声にも関わらず、戦闘モードだった私は完全に祖父の代理人(自称)として世界を完全に敵に回していた。
後日、デニーロからは、あんときのレモンさんはぁ目ぇぎらぎらしてほんま野性動物かっておじさん怖かったわー(なんとなくなんとか弁ぽく書いてみた)という評を貰ったけどほんと生まれてすいませんとしか言えないしもう終わったことだから許してほしいです。ごめんね☆

面談の結論は「家族の意見を統一しましょう」というなんかそれだけだったけれど、
デニーロが案外いいひとというか、ふつーに涙もろいおっさんということが判明して、満足・・・とはいかなかった。

祖父はこの日こんこんと眠っていたので、手を握ってお別れしたのち、デニーロに声をかけた。

お時間よろしいですか、お話をきかせてください。
半分恐喝じみてたと思う。ごめんね☆

 

↑ おすすめです。ジョディフォスターがかわいすぎて死ねる。でも鬱な時に見ると、死にたくなるかも。孤立したどうしようもない感。自分は何もしてないのに、世界はもっと悪くない。泣きそうになって、なのに全然泣けなくて、また泣きそうになるという無限ループをいつも味わいます。カメラワークが無駄に凝りすぎで、またいいのです。サントラもたまらんとですよ。