【短歌以前】恋がそんなにいいものだったら
よせかえす 絶えなば絶えね 玉の緒よ 虎の背に揺れ きえておしまい
ずっと前に書いた詩が出てきた。どうやら好きなひとがいたらしい。記憶はないことになっている。少し懐かしく思った。
当時何を思ったか突然実際にいくつか書いてみた結果、やっぱり私は詩を書くのに向いていないから言葉を減らして短歌にいこうとそう思った。多分正解だった。別に短歌なら出来る訳でもセンスがあるわけでもないけど、なんとなく詩は本気で向いてないと思う。誰かのすてきな詩を読んでいると、自分でもうっとり書いてみたくなって、書いてみるとだいたい恋の歌ばかりであーあやっぱり私はだめだなと思う。バカだ。
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恋がそんなにいいものだったら落ちるなんて誰も言わない、そのために、平穏は・安寧は・日常は・ある日突然略奪される、そのためにある、そんなことがあっていいとか本気で言ってる人なんかいない
恋がそんなにいいものだったら
どうして。
手を放したら終わりというとき、もうだめだと目を伏せる、崖の上にはもう戻れないそのときになってやっと気付く 落ちる先は真暗闇で それすらとてもよく知っているとてもよく。
私の経験は聞かれることのない警告を鳴らしつづける。十年も前からずっと鳴り続けていたのに(それが轟音だったことすら私はよく知っていたのだった)
だから、だから言ったのだ。
遂に落ちてしまったのなら、ひとりでじっとしていなさい。
骨を折った猫のように 誰も来ない繁みの中 ひとりじっとうずくまっていなさい。
だってあなたの勘違いでしょう 傷があるんですか それが傷むのですか それがあなたを飲み込んで 殺されたあなたは再び日常を宣言する そのときを夢みてずっと
ひとりでじっとしているべきです。
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< 玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの よわりもぞする >
冒頭はこのひとの何千番煎じ。このひとの短歌きちがいみたいに轟々とロマンチック全開で大好き。