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猫の日だから私と私の猫と谷崎潤一郎「猫と庄造と二人のおんな」についてざっくり書くよ

CDがどっかいった。ケースを開けたらスガシカオがこんにちはと言った。スガシカオはネクラでかっこよくて大好きでできればサングラスをずっとはずさないでいてほしいと思う。そのほうがイケメンだから。会社にスガシカオ(サングラスなし)を少しかっこよくしたような先輩がいて、かっこいいと言ったら女の友達三人位に全否定されて悲しかった。いつもそうだ。たいてい私はかっこいいをひとと共同化できない。淋しい。まあいい、

どこにいるの、私のコルトレーン
デイビスさんは
ちゃんとケースに入っているよ(珍しいこと!)
頼むよ

 

市場繋がりでは大臣がいってるように平成25年度補正予算を早期執行するのってほんとに効くのってちょっと気になってブラウザを立ち上げたら、今日は猫の日だ とヤフーニュースに書いてあったので猫について書くことになった。にゃーにゃーにゃー!私は経済とかそういうのより猫が好きだ。

 

迷子なう ↓

至上の愛

至上の愛

 



猫を見ているとどうしてこのひとはうちにいるんだろうと不思議になってたまらない。

私がまだ制服を着ていたころ、学校の真ん前の道路に落ちていた「ほとんど死骸」をみんなで拾った記憶、その後の円になっての話し合いというか押し付け合い(ああ、話し=放し なのね)が面倒になった記憶は鮮明すぎるほど鮮明だし、当時の先住猫の嫌味をなだめながら必死で両手サイズの彼女のリハビリに励んだことも確かに確かだった。ターゲットで英単語を覚えるふりをしながら「こっちおいで~」とかね、そうやって遊んでいたら受験に失敗して浪人した。私はもともと浪人したかったから、つまり私はそれだけでも彼女に感謝しないといけない。

死に掛けすぎていたせいで、彼女はガチで聾だ。
でも猫と人間は基本的に日本語でのコミュニケーションは出来ないのがデフォルトなのであんまり気にならない。怒るときに怒鳴っても聞こえないのがネックだったけれど、本人が聞こえないから名前も適当だ。といってもさすがに10年以上の付き合いなので呼び名は収斂していて、獣医さんに登録した本名と呼称が違っているというだけだ。

耳が悪いイコール平衡感覚もいかれていて自然で、そのとおりで、
うちに来たときは上と下の区別がまるでついてないみたいなリアル雑巾だった(キジトラで黒と茶色しかないから本当に見た目汚かった)けれど走れるくらいには平衡感覚も戻った。
弱点と言えばそれが弱点、奴は3月11日の震度6の間でさえのんびり寝ていたという伝説もある位筋金入りの平和ボケー、といわれたりもする、これは単純に理不尽なワルグチで家族の間で鉄板のネタになっている。いびきがうるさいと同じ。

一緒に暮らしてもう10年以上たっている。
今は毎日一緒にいるわけではないし、学生時代も数年一人暮らしをしていたけれども、私が帰る日をなんとなく奴は覚えているのでいつも帰りが遅いとすごく怒る。奴はいつもものすごく不機嫌だ。だいたいいつでも長い尻尾だけ私に触っているし、私がお風呂から出ようとすると足拭用のタオルを占拠して邪魔をしてくる。ドアを開けるとぶつかる位置にわざといるくせに、実際にぶつかった瞬間全面的被害者であるかのようにいちゃもんをつけてきたりもするので本当に腹が立つ。性格はかなり悪いけど頭は悪くなくて、ひとが本気で嫌がることはしない。爪を研ぐ場所も一か所に決まっているし、ソファにはカバーがかかっているときにしか乗らない。爪だって自分でキレイに研ぎあげる割にこだわりは少ないらしくて普通に切らせてくれる。ぼろぼろだった毛並も今はヌルヌルにきれい。

奴は今は腎臓を痛めているので毎週病院で点滴をしてもらっている。

昔、ねこのきもちという雑誌に載っていた話だけれど、
「肝心な時に一体どこが痛くてないているのかわからない、いつも猫の気持ちがわかるなんて豪語していた自分はなんだったんだと思った」という体験談があった。

毎週猫を病院に無理矢理連れて行っている身としてはいかにそれが自分の勝手なのかそういうことが骨身にしみている。気持ちはわかるけれど、その体験談を書いたひとだって猫の気持ちはそのままわかっていたし伝わっていたんだよなと思う。猫は痛いから治してほしいなんて一言も思ってすらいないんだからどこが痛いかなんてわからなくても当然だ。

うちの奴はバカだからケージのふたを開くと自分で面白がって入っていく猫だったのに、病院通いを始めたらさすがにそんなバカな真似はしないでちゃんと逃げるようになった。今日も騙しうちに失敗して追いかけていたら階段ですっころんで奴から嘲り笑いをされて超ムカついた。だけど、私は奴が早く死なれるのがすごく嫌なので奴の気持ちは全面的にシカトして病院に連れて行く。点滴の間ずっと奴は私の脇の下に鼻をうずめてじっと時が過ぎるのを待っている。


獣医さんに、最近甘えの度がひどくなってきてすごくうざいですとぼやいたら、猫が甘えるようになるのは死期が近づいているのかもしれないと言われた。そういうことはなんとなくわかるような気がするし、だから過度に甘えられるのが嫌になるのはそういうこともあるかもしれない。
獣医さんとこの猫氏もやたらと甘えるようになってからその後何年も今も生きているそうだけれど、
でもやっぱり不安になるし、それ考えすぎて鬱とか普通ーにあるから、本当に猫なんか安易に飼うもんじゃないとも思う。

 

猫と庄造と二人のおんな (新潮文庫)

猫と庄造と二人のおんな (新潮文庫)

 

 猫でおすすめなのは 断!然! 谷崎「猫と庄造と二人のおんな」だ。
これはタイトルからしてすごくうまくできていて、上から順に偉い設定になっている。猫のリリーちゃんが至高の存在で、猫にしか興味ない最低男をふたりのだめんずウォーカーが追いかけるドタバタ喜劇だ。内容は かなり、無いwww ま、内容があったら小説じゃないけどねん。
まず猫の名前がいーじゃないですか。リリーなんていかにもそういう猫基地男がうっとりと勘違いしてつけそうな名前だし、そのリリーちゃんは相手がそういう男だから余計に悪魔的に男をゆーわくする、それに本気で女たちは嫉妬して、殺してやりたくなるけれど相手は猫だからもう思いが行き場なく轟々と荒れ狂って下界はバカ騒ぎになるのだ。猫が住むのはもちろん天上界だからリリーちゃんは何も気にしないでツーンとしてごろにゃーんだ。
そんな話のどこが素晴らしいかと言うと、ストーリーも本当にいかにもリアルで素晴らしいのはそうなんだけれども、それから、猫が布団の中に「ヌルッと」入ってくるとかそういう描写がぞくぞくするほど「っぽい」のだ。猫好きーなら絶対わかってくれると思うんだけど。猫は猫だから、誰かを好きーなんて何かは何にもなくて、ただ猫なのだ。ぶっちゃけ言えば誰でもいいのだ。猫がいかに自分に甘えてきたとしても、絶対に絶対にそれは猫が彼を愛している人間のことをそれを理由として好きなわけではなくて、なんとなくひとにはそれがバレバレなのにいかにもそれっぽく猫は振舞う、だからみんな訳がわからなくなって夢中になってしまう。違うかな。みんな騙されているだけなんだ。悲しい。


うちの猫もきっとそうだ。違うのかな。でも違っても違わなくても奴はうちにいて、私がいるときは毎晩一緒に寝ることになっている。奴は布団にヌルッと入ってきて、延々とグルグルいう。何なんだろう。何って、どーせ何も考えちゃいないんだろう。考えてしまう人間としては羨ましいやらムカつくやらバカバカしいやら、とてもじゃないけど奴の境地なんて、悟りなんて死ぬまで開けないことを思い知らされる。ムカつく。
どんなに遠くに逃げたつもりになっても私が行けるのは人間界だけだ。猫の弟子にはなれても猫にはなれない。本当はそれすら虚飾で、猫の弟子になった気分になって浸っているだけだ。


別にあの雑巾の擬態のまま死んだってよかったはずなんて思っちゃいないけど、
でも奴はどうしてうちにいるんだろう。
そんなこと考えたってわからないし、特段わかりたくもない。
だからこれは愚痴だと思うごめんねにゃーん。