ドキドキしちゃう

ダメな人の自己愛ドライブレコーダー

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両手の鳴る音は知る。片手の鳴る音は如何?

先週はしょっぱなから週末にかけてほとんど頭がトチ狂っていたというかほとんどシステムダウンしてしまっていた。仕事がそこまで忙しくなかったのが幸いだったけれども非常に辛かった。せんせーには結局電話していない。

 

土日もほとんど家でぐったりしていて、
でも友達に電話して予定をキャンセルしたりそういうことはちゃんとやった。当たり前だ。

 

月曜日の朝起きたらカチッとスイッチが入れ替わってようやく星が動き出したと思った。
何かの合図が鳴るとひとはちゃんと動くことが出来る。パチンとなにかが変わる音でズッと自分の位置が変わる、そんな気がする。スイッチの在処がわからないせいで結構しんどい思いもするけど、生きて新陳代謝している限りはずっと同じ自分でいるというのは物理的に考えてありえない。どこかにスイッチがあるということ。じたばたしてもしなくてもそのうち潮目は変わるということ。
どういうことが言いたいのかというとだからごはんは食べなきゃダメだと思います。
私は食欲だけはなくしたことがないのでこれはちょっと自慢していいのかもしれないと思った。デリカシーがないともいうのだけれど、よくこういうときにそんなに食べられるよねという冷たい視線は褒め言葉です。

 

 

ナイン・ストーリーズ (新潮文庫)

ナイン・ストーリーズ (新潮文庫)

 

 

ナインストーリーズという本がありますがその冒頭に禅問答が書いてある。それが今回のタイトルです。
サリンジャー祭は確か2013年のはじめ2ヶ月ほど私の脳内で盛大に開催されてかなり読みまくったのだけれども、一番はじめに出会った本がこれ。9つの短編が収録されている、タイトルが安易すぎて心配になる。冒頭の「バナナフィッシュにうってつけの日」というイミフなタイトルの短編を読んだら内容もイミフすぎて、しかも読み終えた瞬間クラッときて倒れた。気づいたら4時間たっていた。冗談じゃなく、毒にあたったと思っている。なにこれ怖すぎると思った。怖いから少しずつ読むことにして、8つ読み終わった。正気を保ったまま楽しく読めるのは「笑い男」位であとはかなり危険。もうだめ感じちゃうって奴なんだと思うけれど毎回オエッてなる。そんなエグいからこそこの本は魅惑的で、ウイスキーみたいだと思う。
そう話したらこの本を薦めてくれた人は違うサリンジャーを紹介してくれてそれが「フラニーとゾーイー」だった。そっちは色々とガチッとはまってそれから色々読みだした。バナナフィッシュの話については今度改めて書こう。

 

そう、だからこれは月曜日の話。多分朝にスイッチが入ったから始まった話だと思う。私は自分のリモコンを持っていないけれど、探してみる価値はある。自分だけのワザみたいな方法論がどこかにある。青い鳥というか多分、もう知っている筈の、、
と考えていて、ずっと頭の隅にあった片手の鳴る音の解が多分出た、ああ簡単だった。
ぱちん
だ。指ぱっちん。両手が叩けないならどうやって音を出せばいいのか、ぱちん、ぱちん、簡単だ。会社のトイレで手をじっとみて、私は指ぱっちん出来ないんだよなと暗湛たる気持ちになった。回答がわかってもこれじゃなんにもならないじゃないか、そんなのないよ。

 

「指を鳴らすとあなたは 今 に戻ってきます、
いち、にー、さん」
ぱちん。

 

試しにやってみたら鳴ったのだった。すごい大きい音がして、びっくりした。30年近く生きてきた、こんな日に生まれて初めて自分で音が鳴らせた、こんなことってあるのかとびっくりした。
そうして席に戻ったらこれまたタイミング良く課長に呼び出されて、異動を告げられた。私は多分出世コースを歩んできたが、ついにそこから外されることになったらしい。大した仕事ぶりでもないくせに、きついです出来ませんと恥を忍んで泣きついた結果だった。安心感に似た虚脱感。喜ぶところなんだろうかと思ったり、今まで何か勘違いしてがんばりますなんて詐欺的振る舞いをして勝ち取ったのかもしれないポストへの愛着と周辺にかけた迷惑や責任、申し訳なさ情けなさ、そういう順番をつけることのできない色々を私は全部見ていることが出来た。自分がすごく落ち着いていて、それについて素直に良かったと思った。

 

次にトイレに行ったときにもパチン、パチンとやってみたけれど嘘みたいにいくらでも私は音を鳴らすことが出来た。鏡を見たら女がいた。全然かわいくないけれど憑き物のとれたような顔をしていて、でもひどい肌荒れでかわいそうだと、これは自分がちゃんとしていなかった結果で申し訳ないことをしたと思った。そのひとは随分疲れているようだったし、ストレスはよくないし、なによりちゃんと寝ないといけない。でも割に嬉しそうにしているように見えた。
この人がイライラしているときは何かムカつくことがあったからで、喜んでいるときはいいことがあったときで、好きな人なんか出来ちゃったらきっと大変なことになるんだろうなと当たり前なことに対してバカみたいに納得してしまった。

 

仕事帰りはスーパーに寄って沢山肉を買ってきた。豚の角煮を沢山作ってパーティーにしようと思ったけれど、今日はそれには疲れすぎていたし銀行に行く用事もあった。なので歩きがてらラーメンを食べに行くことにした。調子に乗ってチャーシュー大盛りにしちゃおうか心が揺れたけれども、無難に味玉だけで我慢した。星がきれいに見えた。歩きながら、またパッチンパッチンやろうとしたら、全然音がしなくなってしまったので笑ってしまった。やっぱりそんなに簡単なじゃないよね、と思ってまた安心した。

 

先週までの疲れが一気にきた気がした。久しぶりに眠れそうだ、と思った。

 

   ■

 

ところがこれがまた単純な話で、つまりこの謎解きは手のひらの油分に関係があるという専門家の指摘がある。
禅問答のその心はおそらくは「ハンドクリーム」が正解で、売れ行きを鑑みるとロクシタン一派が現在のところ有力説として支持されている。理由はおフランス製で箔がつくような気がすること、会員カードを忘れても電話番号を言うだけでポイントをつけてくれる親切システム、微妙に手の出ない値段設定(高いと思う)、その総合得点だ。

 

というわけでほしいものリストにロクシタンを入れてみた。ダメ元すぎる。シーシュポスの神話は自分の本名からプレゼントで送ったけどそれはそれでイベントじみていて楽しかった、嘘だ、悲しかった。でも楽しく読んでいるよ。
ロクシタンはシャンプーがお気に入りで使っているのだけれどあんなに高いのに全然モテとかには効果がないというかそんなの関係なさすぎるなんて知ってるもん・・・でもね、すごいいい匂いがするのでおすすめですよ。超高いのでテンションがいかれたときにしか買えないし、そんなときには会員カードなんて持ってないんですよねー。

 

まあ、そんな感じで、と思います。
おやすみなさい。

 

パチッと電気を消して、洗濯機まわしっぱだったことに気付いたりする

あのさぁ、

ねぇ、