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ダメな人の自己愛ドライブレコーダー

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ダウナってるあなたに・オススメ映画「マグノリア」

(ネタバレ微妙にアリかも、問題はないと思うのですが念のため)

ダウナー系なあなたにはオヌヌメできると思います。

マグノリア<DTS EDITION> [DVD]

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これどんな映画かってとにかく長い。上映時間が3時間を超した大作だ。

私はこれをレンタルでしか見たことがないけれど、あの時ゆうめいだったことと今でもゆうめいなことは知っている。トムクルーズが主演でないことも知っている。主人公は9人でもいて、主演がひとりもいない私好みの群像劇だ。

それぞれが、同じ場所で別々の人生を生きて、それぞれが、どうでもいい、どうしようもないあれやこれやに囚われてあくせくして、つまりふつうの映画だと思う。だからとても面白い。非現実はひとつも描かれない。関わり合いがあるようで、一切つながらないまま、解決しそうでそのまま放置、映画としてはつなげてほしい視聴者の期待も別に全然お構いなしのそんな一切もリアリティがあって面白い。
衝撃のラストがとかなんとか色々な煽り文がつくことは知っているけれども、それが「あるのかもなぁ」と思うような出来事として描かれている、そこがこの映画のすごいところだと思う。カエルが苦手な自分にはカエルがいっぱい出てくる悪夢のようなホラーでそーいうところが何度も見ようって気を削ぐダメなところよね!

何回も何回もセリフとして出てくるキーワードは「過去が追いかけてくる」とか「過去に追いつかれる」
(私にはこんな言葉使いがとてもキャッチ―で)
(当人だけしか気にしていない)過去はどんどん追いかけてきて、まるでそれが現在に思えてしまう
現実リアルの現在と、自分の認知できる現在の乖離はちゃんと自覚してないと
ちゃんと、、

序盤から中盤にかけてみんなのあれこれはどんどんどうしようもない方向にぐわんぐわんとこじれていって、取り返しはどんどんつかなくなっていって、もうどうしようもない、絶望感でどんどん縛られていく、
全員の思っているなんでこうなるの、なんでこうなるの、私はちゃんと、どうしてどうしてがピークに達したときにラジオから聴こえる曲が素晴らしく印象的。
エイミー・マンが何回も何回も賢くなりなさいと繰り返す、
それを9人が全員が全員聞いていて、誰かは呆然としながらも口ずさみ、誰かはそっぽを向いてしまう。そうは言ったって、が本音なのかもしれないけれど。
賢くなろうとするひともいるし、もっとダメになるひともいる。
それはただの歌だから、くだらないポップスだから、受け取るひとも、受け取らないひとも関係なくただラジオの曲だから。

何がどうなったかも、誰がどう思うかも、どっちでもいいし、どっちでも同じ結果論にすぎなくって。
たまたま。
そこに思惑があったのか、なかったのか、それも大して重要でもないのかなって思ってしまうくらいに、たまたまで。
(運命論は結果論と同じだと思っています)

賢くありましょう、こういう現実をお説教でなくてひとにインストールするにはこのくらいの感情移入が必要になるんだろうな。ここまで、つきおとして、徹底的に、それから。

救いの映画だと思います。許しかな。

ラスト、9人は、どうしようもない現実を認めたり、自滅したり、希望を見つけてみたり、やってみたけどダメだったり、他のひとの一言に救われたり、それどころじゃーなかったり。
大団円とは180度正反対に投げ出される感覚は、私は嫌いじゃなかったです。ご都合主義のエクスタシーが一切ないのが現実的でカタルシスみたいな感じでしょうか。

愚痴ならね、いくら言ってもいんです。愚痴ならね。でもね、そーいうことは、言っちゃーだめーです。

あーあって、思える、あーあ、そうだよなって思える、そんな映画です。

 


Magnolia - Aimee Mann - Wise Up - YouTube

 

あと、トムクルーズの基地外ナンパ師セミナーっぷりが面白すぎてKIMO杉ていつもひいちゃうwwwスピンオフで啓発DVDとかあったら見てみたいw