ドキドキしちゃう

ダメな人の自己愛ドライブレコーダー

世界のネカフェから  ブログのメイン。管理人の見た世界の不条理。
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日記(お茶の話)

ここはお茶が有名でしょ、今朝ね、おみやげにしようと思って淹れてもらってきたんだよと言ったらそのひとはずいぶんと訝しがっていたけれど、ちがう、あなたにですよと言って水筒をつきだして、全部飲まないでねといったらすごく笑っておいしいと言った。そうして三人で朝ご飯を食べて、有名な湖に出かけることになった。

 

水筒には口のところに網がついて茶葉が口に入らないつくりになっていて、茶葉とお湯をいれて持ち運べた。中国のひとはみんなそういう水筒を鞄にいれているようだった。飛行場のロビーにも駅にもたいていどこにでも給湯機があって、茶葉さえ持っていればいつでもおいしいお茶が飲めた。私はそれをとても便利そうでうらやましいとずっと横目でみていたので観光地になっているお寺(虎が吼えたら清水が吹き出したなんて、すてきな伝説だと思っていってみたくなったのだ)で水筒と茶葉とお湯のセットが売っていたのにとびついてしまった。
きっと普通のお茶をまじめな顔してふざけたペットボトルにつめようとするなんて中国で生きていたらバカバカしくてできないんだろうと思った。

 

何年も洗っているうちに肝心の網の部分がなくなってしまって、だからいまはお茶パックをいれないと使えないけれども、夏は緑茶の代わりに麦茶を冷やすことにしているので残念ながらまだその水筒には選手生命が残っている。どんな現在でも時間が立てばゆっくり角がとれていく、そうしてだんだんなじんでいって、残ったものだけがようやく私の記憶になる。

 

会社で一緒にはたらいているおんなのひとはおいしい紅茶をいれてくれたので、プレゼントは紅茶にしようと思いついた。ときどきは出掛けたほうがいい、だからそれを口実にして、日曜日はわざわざ新宿まで出かけていった。街は華やかになっていて夏のセールもやっていた。
そんななか自分だけもうなにもかもうまくいかないかのようにのろのろとしていて、けれどもせめて一番のテーマだけは死守したいとふらふら街を探し回って結局閉店ぎりぎりの小田急でとても素敵な果物のたくさん混じった紅茶をひとつ買った。丁寧に包装してくれる手つきをみるのはいつも楽しい。
暑いので、水出しできるやつがいんですと話したら、詳しそうな店員さんは笑顔で、実はどれでも水出しできるんですよと言った。ティースプーンに4杯が茶葉10gです、それをパックにつめて、1リットルの水にいれてください。どの茶葉でも、ちゃんとおいしいアイスティーができますよ。

 

あの部屋でふたりで飲んでもらえたら、いいと思う。