錦繍(宮本輝)を読みました
<秋の夜長は読書とブログ>というキャンペーンがあるのでせっかくなのでやってみます。
文学系美容師さんにおすすめしてもらった本のうち、唯一新宿のブックオフにあったのがコレ。読了は10日前位です。
宮本輝は初めて手に取りました。
美容師さんのコメント「面白いよ~、不倫の話だけどね~。全部手紙なの」
特段不倫には興味がなかったのですが、美容師さんと森鴎外の悪口で盛り上がった後だったので気分よく乗せられて読んでみた次第です。
面白かった。
浮気が原因のありがち離婚したありがち男女が過去について手紙をやりとりする、内容はそれだけ。
お互いがお互いのカウンセリングしているみたい。
「ちょ、ちょっと二人とも!暗い!暗いよ!!」なんて突っ込みが必要な状態から、だんだん男女二人ともの現実認識がリアルになっていく、その過程が漏らさずに表現されています。
簡単に感想をいえば、「巧い」と思った。
読後、登場人物への共感と言うカタルシス効果に加え、読者自身への反省を促してくれるサプリメント的な効果が期待できる貴重な物語だと私は思います。なるほどサリンジャーっぽい、
「書く」という行為は、心の中のドロドロを言葉にして一列(でなくてもいいけれど)にして交通整理することなのでしょう。それはブログを始めていつも実感していること。
ただ、ブログは完全に私の使い方の場合個人的なもので得てして完全な独りよがりで自己愛満載なものになる可能性が低くないけれども、手紙は差し出す対象がはっきりしているので、ちょっと違うのでしょう。
・・・いや、読んでくれるかもしれない不特定多数の目を意識して書くほうが、特定の人間を意識するよりも自己愛レベルは抑制されるのか?
難しいーー もう少し考えてみたいポイントです。
昔から「手紙」を書くことがすごく苦手だった理由も含めて、整理したい。です。
関係ないけど読書感想文もものすごく苦手だった。
本を読むのは大好きだったのに。
なので、これは初めて自発的に書いた感想文(になっているのか微妙ですがw)ですw